「あれ? いちごちゃんじゃない?」 「へっ?」 ブラウスにリボン、膝下までの長さのプリーツスカート。ブレザーに校章って、乗ってきた乗客にそのような姿の者はいない。 だがいちごは彼女達三人を見た瞬間、それを思い出した。 かつていちごがとある任務で通っていた女子校……そこでクラスメイトだった少女たちだ。 「本当だ。いちごちゃんだ」 「久しぶり。何で黙って転校しちゃったの?」 「心配していましたぁ」 ハンターシリーズ38『半田姉妹の冒険?』作・Zyuka より イラスト:本田準さん |
「知ってますよ。だから私は居候してるんです。それより、中、覗いてみませんか?」 「あ、うん」 先行する千景を追い、ドームへ戻る。 で、そこで見た物は。 無数のブルマ少女だった。 しかも集団ヒステリーを起こしているらしい。なんだか、物凄いとしか言いようがない光景だった。 「・・・・・・。ここ、何人ぐらい入ってたっけ?」 「大体、五万人ですね」 イラスト:高野透(旧名:ムクゲ)さん ハンター・シリーズ35 『ななちゃんレポート「体育大会」』より 作・てぃーえむさん |
「やばい!」 七瀬は叫ぶと、きびすを返した。 隣の千景も同じくだ。 二人は並んで部屋を飛び出ると、全力疾走した。 押し寄せる力を背に感じながら、非常ドアを開き、外に出る。 イラスト:高野透(旧名:ムクゲ)さん ハンター・シリーズ35 『ななちゃんレポート「体育大会」』より 作・てぃーえむさん |
たとえば、三号は迷子のアナウンスをしている。六号は浴衣を着て月見団子を配っている。七号はフランクフルトの屋台で客の相手と言いながら、妻と愛を語らっている。他のハンターも御輿を担いだり、掃除係をしていたりと、大忙しだ。出不精で、しかもハンター職員ではない千景ですら、右手にデジタルビデオ、左手にリンゴ飴を持って、ゆったりと歩きまわっている。この町の広報誌『月刊たそがれ』とハンター組織の広報誌『月刊ハンターの友』に載せる絵を撮っているのだ。 ハンターシリーズ 34 『いちごちゃんレポート「秋祭り」』より 作:てぃーえむさん イラスト:わたなべ紅茶さん |
ハンターイラストギャラリー 半田双葉(28号) イラスト さいばしさん |
「そういうことで、よろしく頼むぞ、8号」 「はい」 「履歴書関係は事務から貰えるはずだ。……手筈はついている」 「お任せください」 「8号」と呼ばれた男はそう答えると、写真をポケットに入れ、立ち上がった。 「五番目の男」 より イラスト:畑野祐夏さん |