イラストギャラリー25

その２５

「さて諸君。何はともあれこの写真を見てもらいたい」
　大勢が暗闇の中で蠢いている会議室。そこには一種異様な空気が漂っていた。
　オーバーヘッド・プロジェクターによってスクリーンに映し出される写真。その映像に聴衆は釘付けになった。
　そこには楚々とした可憐さを滲ませる美少女二人が寄り添うように佇んでいた。

ハンターシリーズ「セカンド・チャンス」より
作者：真城　悠

姫柴有佑さん

ハンターミニミニ劇場No.362
「便利な存在」
作者：真城　悠

「おう、五代！」

「はあ、何でしょう」

「すまんが『フェルマーの最終定理』について教えてくれないか」

「いいですけど…どの辺から話しましょうか」

「…“どの辺”とかあるのか？」

「そりゃありますよ。人類を３６０年惑わせた難問ですからね」

１０号「むむ…任せる」

「ではまず結論を説明して、そこに至る過程の歴史をさかのぼる形で」

「ふむ」

「定理そのものはシンプルです。『3 以上の自然数 n について、xのn乗 + yのn乗 = zのn乗となる 0 でない自然数 (x, y, z) の組み合わせがない』というものです」

「…」

「ポイントは「自然数の解」というところで、ぶっちゃけ無理数とか複素数なら答えは簡単に出ちゃうんですが、どうにかして自然数の解が無いことを証明しなくちゃいけなかったんですよ。最終的にどうやって証明したかというと、ポアンカレの提唱したモジュラー形式が楕円方程式に置き換えられることが判明して、背理法によってこれが自然数解を持つことが否定されれば、結果としてフェルマーの最終定理は正しかったということが証明される訳です。そもそも「最終定理」と言ってますけど、名付けられた段階では証明されてないので「フェルマーの最終予想」というべきで…」

「あ、もういい。ありがとう。助かったよ」

「え？まだ始まってないんですけど…」

「おう、聞いたぞ。活躍してるそうじゃないか」

「あ、いちごちゃん。何故かなあ、最近ボクのところに来る人が多いんだよ。しかもみんな数学の話ばかり」

「ああ、この頃暑くてみんな不眠症気味なんでお前の催眠術を聞きに来てるんだ。ところで「四色定理」って何だ？」

イラスト：おいもさん

アイコンメーカー作成：天爛さん

「赤龍寺姫子さん、ですね？」
「はい、そうですけど…？　あなたたちは？」
「誘拐犯です。いっしょに来てもらいましょう」
「はぁ？」

　五人の少女の前に現れた怪しい男三人。そして誘拐とか言っているこの状況。

「はいそうですかって、言うとお思いですか？」
「仕方ありませんね。では、腕ずくで」

ハンターシリーズ38『半田姉妹の冒険？』
作・Zyukaさん　より

イラスト：本田準さん

ハンターミニミニ劇場No.160
　　　ハロウィン３
作者　yuk

　「みんなが着ている変装用の服ってどこから集めてきてるんですか？」

　　「ほとんどが水野と沢田が４８号のために集めたものと９６号の私物らしいぞ。」

ハンターミニミニ劇場No.166
　　　ぬか喜び
作者　真城　悠
（ハンターミニミニ劇場No.163の続きです）

　「ということで今回のミッションはこれだ」

　「あの…これ、本当なんですか？」

　「何か問題でも？」

　「いやその…にわかには信じられなくて」

　「あんだよ。オレが相手だと不満か？」

　「ま、まさか！でも…こんなに幸せでいいのかなって」

　「言っとけ！行くぞほら！」

　「うむ。写真館じきじきの依頼だ。男女で新郎新婦のモデルに来て欲しいそうだ。衣装も向こうで用意してもらえるし、メイクも何もかも向こう持ちだ。しかも撮った写真はプレゼントしてもらえる」

「…（軽く涙ぐむ）」

「ほら急げ！メイクには時間が掛かるんだから」

　…そして…

　「今度は５号が引きこもってるって？」

　「ええ。予想してなかったみたいです」

　「写真は２枚あるんだろ？」

　「一枚は今事務室でいちご含めた女子事務員たちが盛り上がってます」

　「もう一枚は？」

　「どうも５号自ら持って部屋にいるみたいですね」

　「案外見とれてるんじゃないか？」

　「…どうでしょうか…」

　「いいんじゃないか？念願の新郎新婦で写真に納まれたんだから」

　「ウェディングドレス着たのは５号ですけどね」

　「そういう依頼なんだから仕方が無いだろう。写真館も経営難で『コスプレ写真企画』を今度始めるそうだから」

　「私はまだ見てませんが、かなり可愛く仕上がってるそうですよ」

　「いいからそろそろ引っ張り出せ。パンフレットに載せるコメント取りたいそうだから」