「すごーい。この子よく躾けてありますね!」 「可愛いわー。うちの犬(こ)達とこんなに早く仲良くなるなんて珍しいのよ」 「おねーちゃーん。この子触ってもいい?あ…こら、くすぐったいてっば〜」 苺はコンテスト会場の前でぐったりと座り込んでいた。 (なんなんだ一体…) さすがにコンテストだけあって犬の数もそうだが犬好きな人間も相当な数が集まっている。ロッキーは道行く人に声をかけられては愛想を振りまき…そして褒められているのだ。先ほどの少女に至ってはこの不気味な大男に顔をなめられて喜んでいるのである。 もはや苺の理解を超越していた。昨日だってそうだ… ハンターシリーズ96 『助っ人』作・ Bシュウ イラスト:岩澄さん |
「待ちなお嬢ちゃん」 ボスをぐいぐい締め上げる苺をロッキーが無駄に渋い声で制止する。彼は煙草を一本加え火をつけるとうまそうに煙をはいて言った。 「もう決まったことにガタガタいってんじゃねぇよ…男らしくねぇぜ」 苺は眩暈をおぼえた。 ハンターシリーズ96 『助っ人』 作・ Bシュウ イラスト:岩澄さん |
その時タイミングよくドアがノックされ程なくドアが半分ほど開く、 「ふむ…ちょうどいいタイミングだ。紹介しよう彼が今回君のパートナーとなる…」 そこには事務の水野さんがいた。左手には赤いリードを持っている。 (あれ?) ハンターシリーズ96 『助っ人』 作・ Bシュウ イラスト:岩澄さん |
「………あなたも、過去を読み取る能力を、持っているんでしょ?」 「え……!?」 すっ……っと朱実の右手が陽平の手を取る。 「私は、この右手で触った物の過去や強い思いをを読み取る事ができるの。いわゆる、サイコメトリーというやつよ」 「僕は、自分の能力のことをポストコグニションって呼んでるけど……」 「どちらでもいいわ。つまり、私の仲間、なんでしょ?」 「ハンターシリーズ36」 『二人のウラド』 作・Zyukaさんより イラスト:高野透(旧名:ムクゲ) さん |
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