ハンターシリーズ イラストギャラリー

その36


「………」
 何も言えなかった。
 ヴーケを左手に預け、スカートを掴む。
 しゅるるっと衣擦れの音が響く。
 はっとして周囲を見渡す。
 大きく地面に広がったスカートを踏まない程度まで接近した聴衆が唖然とした表情で花嫁たる自分を見つめているではないか。
「先輩!」
 人ごみを掻き分けて待機させていた部下である。
「ば、馬鹿!来るな!」

 口紅を広げて叫ぶ花嫁。
 しかし遅かった。事態は最早取り返しのつかないところまで来ていたのだ。
「ああ、後輩さんですね。お嫁さんですよ」
「え?」
「お婿さんがそんなカッコじゃダメね」
「あ…君が…」
 しかし、その台詞を言い終わらない内に華代は後輩に接近し、ぽんと触ってしまっていた。
 目の前でにこにこしている少女。しかし、後輩の身体は異常を感じ始めていた。
「……??」
 見る見るうちに元々端正な顔立ちの彼は更に二枚目になっていく。そして、単なるスーツだったその衣服はきりりと引き締まった漆黒のタキシードへと変貌を遂げてしまう。
「こ…これは?」
 ドクン!と胸が打った。
 耳が熱くなってくる。
 な、何だ?…何だ…この…変な気持ちは…。胸が…胸がドキドキする…。
 ぎゅうっとブーケを握り締める花嫁。
 目の前の女性に申し訳なさそうに話しかける花婿。
「あの…この辺にスーツ姿の男性は…」
 こ、こいつ…俺が分からないのか?

作:真城 悠

ハンターシリーズ「セカンド・チャンス」より
作者:真城 悠
姫柴有佑さん


「……」
 鏡が無いので自分の姿を客観的に見ることこそ出来なかったが、最早事態は明らかだった。
 彼は、純白のウェディングドレスに身を包んだ美しい花嫁になってしまったのだ。

ハンターシリーズ「セカンド・チャンス」より
作者:真城 悠
姫柴有佑さん


ハンターミニミニ劇場 No.024
   (no title)
作者  yuk

フォスター(次元管理人) 「君を次元管理人として採用しよう。」

ケイ(居候)   「いえ、結構です。」


イラスト:tenjiさん
*年齢制限のあるコンテンツを含みます


ハンターシリーズ「セカンド・チャンス」より
作者:真城 悠
姫柴有佑さん