「華代ちゃんシリーズ」



「華代ちゃんシリーズ・番外編」
「ハンターシリーズ」
「いちごちゃんシリーズ」

作・真城 悠


「ハンターシリーズ07」
(「いちごちゃんシリーズ」)

『いちごちゃん戻れる!?』
作・真城 悠 

* このエピソードは何故か次元管理人フォスター・シリーズの「エターナル・ドラッグ」のサイドストーリーだったりするみたいなので、読んでおくとより笑えるかも知れません。

 俺は「ハンター」だ。
 不思議な能力で “依頼人” を性転換しまくる恐怖の存在、「真城 華代」の哀れな犠牲者を元に戻す仕事をしている。
 最終的な目標は、「真城 華代」を無害化することにある。
 とある事件――というか「華代被害」――に巻き込まれた今の俺は、15〜6歳くらいの娘になってしまっている。その上、ひょんなことから「半田 苺(はんた・いちご)」を名乗ることになってしまった。
 華代の後始末の傍ら、なんとか元に戻る手段も模索している。

 さて、今回のミッションは……


「こ、これだ……これだよ…………」
 遂に……遂に念願がかなうんだ……。いちごは歓喜に打ち震えていた。
 机の上に置かれた小さな瓶。そして嬉しさを爆発させるように、部屋中を行ったり来たりする。
 立ち止まって胸に手を置き、そして気持ちを落ち着かせる。
「まあでも――」
 嬉しさゆえなのか、独り言が多くなる。
「その……最後にちょっとだけでも――」
 いちごのスタイルはメイド服ではなく、いつものシャツにジャケット、ジーンズという色気の無い格好である。
 薄着なのでブラジャーは仕方なく着けているが、パンティを拒否してトランクスを履いているという徹底ぶりだ。
 鼻歌を歌いながらシャワー室に入っていく。部屋の中には「ハンター1号」時代の大きなスーツに、黒づくめの上着や帽子などが用意してあった。

 シャワーの音がし始める……


「おーい、いちごぉ!」
 ハンター5号がいちごの部屋に入ってきた。
「全く、どこに行ったんだあいつは……」
 いかに同僚とはいえ、仮にも女性の一人暮らしの部屋に入ってくるとは、失礼千万無神経な男である。
「……ん? 何だこれ?」
 机の上の小さな瓶を取り上げて、ハンター5号は首を傾げた。


「……また引き篭もっとるのかあいつはっ」
「そうですね」
「原因は?」
「いやそれが……今回ばかりはよく分からないんですよ」
「しかも、5号がまた半殺しにされているんですよ……」
「うーむ……恐ろしいことだ」
「そう言えば、5号は猫を探していましたね――」
「猫?」
「何でも飼い猫はメスだったのに、見つけたらオスになっていたとか言ってましたが……これまた原因不明ですね」
「関係あるのかその話は?」

「あ……そうそう、いちごは直前のミッションであの変人の伊藤博士に会ってるんです。その伊藤博士も行方不明になってるし、全く謎だらけです」