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「華代ちゃんシリーズ」



「華代ちゃんシリーズ・番外編」
「ハンターシリーズ」
「いちごちゃんシリーズ」

作・真城 悠

ハンターシリーズ19
(いちごちゃんシリーズ)

『はっぴい?ばーすで……い?』

作:ライターマン

 俺はハンターだ。
 不思議な能力で“依頼人”を性転換しまくる恐怖の存在、「真城 華代」の哀れな犠牲者を元に戻す仕事をしている。
 最終的な目標は「真城 華代」を無害化することにある。
 とある事件・・・というか華代被害・・・に巻き込まれた今の俺は15〜16歳くらいの娘になってしまっている。その上、ひょんなことから「半田 苺」(はんた・いちご)を名乗ることになってしまった。
 華代の後始末の傍ら、なんとか元に戻る手段も模索している。


 尾行されてる。
 最初に俺がそれに気がついたとき、まさかと思った。
 別に今まで尾行されたことが無い、という訳ではない。
 「捜索者」と「追跡者」を兼ねたような秘密組織「ハンター」では尾行したりされたりということはむしろ日常茶飯事である。
 問題はここ「ハンター」本部で尾行されている、という事実である。


 外部からの侵入者か?と思った俺はすぐさまその考えを打ち消した。
 曲がりなりにもハンターはプロの集団である。そう易々と外部からの侵入を許すはずがない。
 それに尾行者からは殺気が感じられなかった。
 ならば奴は内部の者、という事になる。
 なにか尾行されるような事をしたかな?と思った。
 最近やった事と言えばストレス解消のために裏山で装備課から持ち出したサブマシンガンとロケットランチャーを撃ちまくったことと、報告書作成が深夜に及んだので誰のか知らないがチョコレートパフェとブランデーを拝借したぐらいである。
 とてもこんなことをされる憶えがなかった。


 俺は二つの通路が交差する場所で追跡者から見えないように鼻をゴニョゴニョした。
 そして交差地点で足を止めると口を大きく開けながらなるべく自然に見えるようにして後ろを向きながら
 「ハ、ハックションッ!!」
 と大きなくしゃみをし、それと同時に通路の一つをダッシュした。
 くしゃみの際に俺が振り向いたために慌てて隠れた尾行者は俺を見失ってしまい、しばらくウロウロしてたが、やがてもと来た道を戻り始めた。


 それを見て俺はその尾行者の後を逆に尾行することにした。
 「あいつ……5号じゃないのか?」
 後姿なので顔は分からないが、動きからするとどうも5号らしかった。
 しかし一体何故?そう思いながら尾行を続けてると5号は倉庫の一つに入っていった。
 あそこにはガラクタ以外何もないはずだが……
 俺の疑問と困惑は深まっていくばかりだった。
 これ以上調べようとすれば倉庫の中に入るしかない。
 しばらくの間迷ったが、俺は倉庫の中に入ることにした。


 俺は5号が入った入口から入ることはぜず、別の入口の一つから入ることにした。
 音を立てないようにレバーを回してドアを開け中に入ると中は暗闇だった。
 俺は倉庫の見取り図を思い出しながらどの部屋から調べようか考えていると突然
 「動くな」
 と突然背後から低い声がして背中に「何か」を突きつけられた。
 俺は声を失った。
 まさか俺がここに侵入しようとしたのを感付かれたのか?
 いや、違う!!俺は嵌められたのだ!!
 尾行の下手な奴に俺を尾行させ、気付いた俺が奴の後を尾行してこの倉庫に入るように仕組まれたのだ!!
 俺は相手の策にまんまと引っかかった自分の迂闊さに思わず歯ぎしりをした。


 「俺を何処へ連れて行く気だ?」
 「いいから黙って歩け」
 俺の質問に背後の人物は無愛想にそう答えた。
 どうやら変声機を使っているらしく、声から相手の正体を知ることはできなかった。
 やがて倉庫の中で一番広い部屋の扉の前に来ると
 「入れ」
 と言われた。
 中に入るとそこもやはり暗闇だった。
 どうやら中に誰かいるらしく複数の人の気配がした。
 一体俺をどうするつもりだ?と思っていると突然照明が点き、

 「「「ハッピーバースデイいちごちゃんっ!!」」」

 と大勢の人の声がしてクラッカーが鳴り響いた。
 「え?えっ!?」
 俺は訳が分からなくなって周りを見ると、そこにはハンターや職員の大半が集まっており、壁には「誕生日おめでとう」と書かれた紙が張られ、中央には色とりどりの料理とロウソクが立てられた大きなケーキがあった。
 「そんな……まさか……みんな俺のために?」
 「そうよビックリした?」
 先程とは違う背後からの声に思わず振り返るとそこにいたのはバナナを持った沢田さんだった。
 「はい、いちごちゃん。バースデイプレゼントよ」
 そう言って水野さんが差し出したのはリボンで飾られた少し大き目の箱だった。
 「みんな……あ、ありがとう」
 俺の目からは不覚にも涙があふれてきた。


 俺は胸が熱くなった。
 今日ほど仲間という存在がありがたいと思ったことは無かった。
 俺の今までの人生はあまりろくでもないものばかりだった。生まれてこなければよかったと思ったのも一度や二度ではなかった。
 だが今はそれらの事が全て許せるような気がした。
 今の俺には仲間いる。そしてみんな笑顔で俺が生まれた今日という日を………ん?










 「ちょっと待てっ!!俺の誕生日は今日じゃないぞっ!!」













 「また引き篭もったのか?」
 「はあ……やはり『一号がいちごになった日』を誕生日として祝ったのがまずかったのでは?」
 「意味は間違っとらんと思うが?」
 「すごく違うような気もするんですが……どちらにしても本人にとってはすごくショックだったようです。『みんな俺をおもちゃにして遊んでるんだ!!』って泣いてましたよ」
 「軟弱な奴……そういえば去年も同じような事をしなかったか?」
 「ええ、あの時(いちごちゃん・シリーズ08 いちごちゃんバースディ!)は『ハンター1号』の誕生日だったんですが……」
 「じゃあ何か?アイツは1年で2回も誕生日を祝ってもらったのか?組織の施設と予算を使って?」
 「そうなりますね。ちなみに決裁は両方とも一発で通ったそうです」

(おわり)


おことわり

 この物語はフィクションです。劇中に出てくる人物、団体は全て架空の物で実在の物とは何の関係もありません。



 あとがき

 どうも、ライターマンです。
 去る5月31日は真城 悠さんの誕生日でした。
 という訳(?)で「誕生日&真城 悠さんの代表作といえばいちごちゃん」ということで急遽作り上げました。
 実は既にいちごちゃんの誕生日ネタは存在するのですが、まあご愛嬌ということで(笑)

 それではまた。