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「華代ちゃんシリーズ」



「華代ちゃんシリーズ・番外編」
「ハンターシリーズ」
「いちごちゃんシリーズ」

作・真城 悠


ハンターシリーズ29
『魅惑のハンター38号・
空 魅夜子登場!!』

作・Zyuka


『ユイムちゃんいるー? 遊びに来たよーー!!』
『あ、ファロちゃん。こんにちわ!』
『ね、ね、何して遊ぶ?』
『うーん、そーねえ……シーム君でもからかいに行こうか?』
『それもいいね。あ、そうそう。この間アストさんが面白い物を作ってくれてね……』

 プツッ……

 アニメを映し出していたテレビの電源が、突然消える。

 テレビを見ていた人間の後ろで、誰かがリモコンを使ったのだ。

「暇そうですね」
「……まあね」

 ハンター事務の安土桃香は、テレビを見ていたハンター7号、七瀬銀河に声をかけた。

「静かですね」
「騒がしい連中がいないからな」

 ここはハンター組織本部。いつもは騒々しいこの場所も、騒ぐ人間がいなければ静かなものだ。
 ……思えば、この桃香も騒がしい部類に入るはずなんだけど……

「いちご先輩とりく先輩は、水野さんと沢田さんが買い物に行くとか言って、つれてったものな」
「うう……あたしも、行きたかったです……」
 桃香は、澄んだ(?)瞳から、滂沱の涙を流す。

「仕方ないだろ。組織のメインコンピュータプログラムにバグが見つかったんだから。それを修正しなけりゃいけないんだろ?」

「だったらこんな所でテレビなんか見てないで手伝ってくださいよ!!」
「はは……君だって僕がコンピュータを苦手としていることは知っているだろ?」
「ああん、何でコンピューターの情報量がほんの少し増えてるってだけで、すべてのデータをチェックしなけりゃならないのよ!?」
「ま、組織も色々大変だそうだからね。切り詰められる所は切り詰めたい、と言うのが本音なんだろ」
「だからって、コンピュータのメモリまで切り詰めようなんて考えないでよね……」

 バタンッ!

 突然、二人のいる部屋の扉が開いた。そして、一枚のでかい『布』が入ってくる。

「はぁ?」

 よく見ると、その布の丈夫に、二つの手があった。

「…………」

 角度を変えてみて見ると……

「……何やってるんだ? じいさん……?」
「ぬぅ!! わしの隠行の術を見破るとは……おぬし、やるの!!」

 布の裏に隠れて(?)いたのは、おかしなじいさんだった。

 どこかの時代劇からでも抜け出してきたような、時代がかった和服姿のじいさんだ。よく見ると、腰に短い刀までさしている。
「本物だとしたら、銃刀法違反だぞ」
「ああ、大丈夫じゃ。皮膚ぐらいなら切る事はできるが、骨までは切れん。一応、銃刀法違反ギリギリOKの品なのじゃ!」
「本当かよ?」
「うむ、Zyukaが京都の土産物屋で聞いたのだから、間違いない」
「そもそも、Zyuka自信が信用できないだろうが……」
 ふと、7号は桃香の方を見る。彼女は、そのじいさんから逃げるようにしている。

「ぬう、見つけたぞ、桃香姫!!」
「姫?」
「ほ、蓬莱翁……」
 じいさん……蓬莱翁は、ズズズッと桃香に詰め寄る。
「やっと追い詰めたぞ、桃香姫。まったく……若との結婚がいやでにげだしてこんなところににげこむなんて、どういうことじゃ?」
「だって、だって、結婚なんていやだったんだもの!!」
「わしら皇賀忍軍六家の姫君ともあろう者が、何をわがままを言っているのじゃ!! さあ、帰って若と祝宴を挙げるのじゃ!!」
「い、いやあ!!」
 蓬莱翁に手を引かれて連れて行かれそうになる桃香。
「お、おい、ちょっと待て! わけがわからない!! 説明してくれないか!!」
「ええい、俗物に説明するいわれなどない!! さあ、来るのじゃ桃香姫!!」

 ぐいっと桃香を引っ張る蓬莱翁。ところが……それは桃香そっくりのでかいぬいぐるみにすりかわっていた。

「む……変わり身の術……いつの間に!!」

 蓬莱翁は、きょろきょろとあたりを見渡し……

「ぬぬぬぬぬ……逃げおったか!! しかし、逃がさぬぞ桃香姫……!!」

 そういい残すと、蓬莱翁は部屋を出て行った。入ってきたときと同じく、突然の退場だった。

「…………桃香…………説明、してくれないか?」
 7号が、ぬいぐるみに向けていう。
「……よくわかりましたね」
 パカッとぬいぐるみが割れて、桃香が顔を出した。
「ま、僕のこの銀の目は、見えないものを見る力があるからね」
「関係ないと思うけど」
 どこから出てきたのか不明なぬいぐるみを、再びどこからへ返し、桃香は立ち上がった。
「ええっと、7号さんは私が元くノ一(女の忍者)だってことは……知ってますよね」
「ああ、前に紫鶴から聞いたことがあるけど……」
「……私の属していたのは、皇賀忍軍と言って現在も続く、忍者軍団です。蓬莱翁は、その忍軍の、首領の相談役兼補佐兼片腕兼首領の息子、若君の教育係なんです」
「で、何でそんなじいさんが君のところへ来るんだ?」
「私の家は……皇賀忍軍の首領を中心とした六つの家……皇賀忍軍六家のうちの一つなんです。そして、時期首領の花嫁は、その六家から選ばれるんです」
「……それって……」
「ええ、そのため六家で生まれた女の子には、忍びの英才教育を受けさせられるんです。妻として、また母として、自分以上の者達の命を守れるように……」
「………時代錯誤、だな………」
「だから私も含め、六家全員の女の子が家出しちゃったんです」
「へっ?」
「その後、この組織の情報工作班にスカウトされて、その後こっちの事務に転属してきたのは、7号さんも知ってるとおりです」

「……つまり、あの蓬莱翁ってのは家出人捜索人兼、若君の花嫁探し人ってわけか」
「ええ、まあ若君の花嫁のことは姫って呼んでますけどね」
「あっそ」
「まあ、若君にかんしては悪くないと思っているんですけど…………やっぱり結婚は自分の意思でしたいんですよねぇ」
「哀れなじいさん……」

 それよりも、花嫁候補が一辺にいなくなってしまったその若君のほうが哀れか……



 バタン!!

 再び、ドアが開く。

「うん?」
「ここにいたのか、安土君、そしてななちゃん!!」
「僕は7号です!! ……で、なんのようですか? ボス」

 現れたのは、ハンター組織のボスだった。

「入力した覚えのないデータが見つかった。それについてちょっと話がある。来てくれ!!」

「まったく、どいつもこいつもこのままじゃ伝統ある皇賀忍軍はどうなってしまうんじゃ……?」
 蓬莱翁は、ハンター組織本部からの帰り道を、とぼとぼと歩いていた。
「姫がいなければ、由緒正しき首領の血筋が絶えてしまう。姫がいなければいけないのじゃ。なのに………どの姫も、どの姫も……」
 まるで呪文のように、姫姫と繰り返す蓬莱翁。その蓬莱翁に声をかけてくるものがいた。
「おじいちゃん!」
「ぬう、だれじゃ?」
 そこにいたのは、小学生低学年ぐらいの女の子がいた。
「………? そなた………何者じゃ?」

 蓬莱翁は、年は取っている物の、いまだ現役の忍者である。その少女が只者でないことぐらいはすぐにわかる。

「あ、私はこういうものです」
 といって差し出された名刺……そこには、

「ココロとカラダの悩み、お受け致します。

               真城 華代」

 と、かかれていた。
「私が、おじいさんの悩みを解決してあげます。……おじいさん、さっきから姫、姫、っていってますよね?」
「う、うむ。そうじゃが?」
「つまり、お姫様がいればいいんですね? まかせて下さい! そぉーれ!!」

 そういった華代の手から力が放たれる!

「な、なんじゃ?」

 蓬莱翁はわけがわからぬうちに、その力をまともに浴びてしまった。
「ぬ、ぬおう!!」
 その身体が、劇的に変化していく。

 まず、深いしわが刻まれていた顔に、張りが戻ってくる。
 いや、顔だけではなく、体全体が変化していくのだ。
「ぬ、ぬぬぬぬぬ?」
 老いてますます盛ん……仲間の忍び達が影でそう呼んでいる……そして自分自身も少々自慢している頑健な身体が……ふっくらと、やわらかくなってゆく。胸など部分は盛り上がり、他の部分はくびれてゆく。その色は、雪のような白さへ変化する。
 少々背が低かったからか、身長のほうはすらっと伸びた。
 完全に真っ白だった髪が、金色に変わって腰までのびる!!
「おおおおお!!」
 カサカサだった口びるが、プリッと瑞々しく変わる。瞳の色が黒からサファイアのような青に変わる。
「ええっと、次はドレスね!」
 そこには、和服を着た金髪碧眼の美女がいた。そして、次なる変化が始まる。
 上半分はぐっと身体に合わせたかわいらしい物に変化した。両肩の部分だけが、丸く膨らむ。色も、黒っぽかったのが、薄い青色へと変わっていった。
 下半分は、スカートだ。それも、広がったロングスカート。
 わらじが、ハイヒールへと変化した。

 そして、とどめは頭の上に出現したティアラ……

「はい、お姫様いっちょあがりぃ!!」
 華代ちゃんは得意満面にそういった。

「あ、あ、あ……わしは、どうなったんじゃ?」
 そこに現れたお姫様は、呆然とするだけだった。

「それじゃダメだよ。華代ちゃん」





「ハンター38号?」
「ああ、知っているか? 7号」
「いえ……8の数字を持つナンバーは、僕がここに来る前に行方不明になった8号先輩と、28号だけだと思いますけど……」
「ああ、38なんてナンバーは、組織にはなかったはずだ」

 組織のコンピュータのデータ異常。それは、この存在しないはずのナンバーが入力されていたことにあった。

「何者なんでしょうね、この38号って……?」

「わからない、パーソナルデータもひらいても。これだ」

―――――ハンター38号―――――

  氏名・空 魅夜子

  年齢・9歳

―――――――――――――――――

「き、9歳!?」
 ハンター組織は政府管轄下にある組織である。そのため、未成年を雇うことなんてことはありえない。
 まあ、ハンター1号や6号などもいるが……彼女達は見た目が未成年なだけで、実年齢は……ま、いいか。別にここでいうことじゃない。
「りくちゃんだってそれくらいじゃない?」
「それはそうだが……一体、何者なんだ?」

「華代ちゃん、ダメだよそれじゃ」
「え、だれ?」

 お姫様と華代ちゃんの前に、1人の少女が現れる。
 見た目は華代ちゃんによく似ているが、黒い洋服を着ていることと、眼鏡をかけているところが違う。


「私は、ハンター38号、空魅夜子って言います。よろしく!」
「私は真城華代です!」

 ふたりの少女が、挨拶を交わす。

「ところで魅夜子ちゃん、どこが違うんですか?」
「わかってないわねぇ……あなたがあのお姫様に変えたおじいさん、最初どんな格好をしていたか、よく思い出して御覧なさい」

「……?」

「まるで、時代劇見たいな格好をしていたじゃない。つまり、あのおじいさんは西洋風のお姫様でなく、和風のお姫様になりたかったのよ!!」
「ああ、そうか!!」
 華代ちゃんは、魅夜子ちゃんの言葉に頭を抱え込む。

「私が彼女を和風のお姫様に変えてあげるわ。それでいいでしょ?」
 その言葉に、お姫様が我に返る。
「い、いやわしは!!」
「遠慮しなくていいよ。それっ!」

 魅夜子ちゃんから放たれた力がお姫様を包み込む。

「ウウウウウ……ウワ〜〜〜!!」

 金髪が黒髪に変わり、頭上にまとめ上げられていく。ティアラは簪に変わり、ドレスは華やかな着物に変化する。
 和服が似合うのは、少しポッチャリ系がいいと言うが、このお姫様はそんなことはそんなことはない。見事なプロポーションを保ったまま、和風の姫君に変化する。

「はい、これでいいわね。華代ちゃん、これからは間違えないでね!!」
「ごめんね魅夜子ちゃん」

 そう言って、微笑み合う二人の少女。

「ねえ華代ちゃん、ここであったのも何かの縁。これからいっしょに遊ばない?」
「いいわね。そうだ! この近くにりくちゃんも住んでいるはずだから、あの子も誘おうよ!」
 そう言って去っていく二人の少女。残されたお姫様は……

「わしはこんなののぞんどら〜ん!!」

 まあ、その叫びを聞いてくれる人はいないだろう。



「……SORA MIYAKO…………」

 ローマ字で打ち込まれたその文字を、並び替える。

「…………MASIRO KAYO………!!」

 7号は、立ち上がった。

「一体、これは何を意味しているんだ?」

 これからは、この謎を解いていく。

 もしかしたら、ハンターの最大の敵、華代の正体がわかるかもしれない。

「だが、それによって大きな悲劇が生まれなければいいがな……」

 まだ、戦い続く…………