「華代ちゃんシリーズ」



「華代ちゃんシリーズ・番外編」
「ハンターシリーズ」
「いちごちゃんシリーズ」

作・真城 悠


ハンターシリーズ81
『とあるラジオ番組にてその3』
作・yuk

「はい。今週も始まりました『愛の狩人』

イラスト:藤沢カミヤさん

お相手はこの私ラブハンターこと狩生いち子でお送りします。

さて、早速お便りの紹介をさせていただきます。

 

『ペンネーム恋するStrawberryさん。いつも楽しく聞いています。』

ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

『それにしてもよくラブハンターなんて恥ずかしい名前平気で使えますよね。』

ふざけんなよ! お前がそれを言うなよ! 恋するStrawberryも負けず劣らず恥ずかしいよ!

しかもてめぇのは自分で考えたやつだろ? 俺のは押し付けられたやつなんだよ!」

プロデューサー(いち子ちゃん! そう思っても口に出さないで! 番組が訴えられるから!)

「……! あれ? へんですね。どこかから変な電波受信したようです。気を取り直して次読みます。

『最近わたし気になってる人がいるんです。』

はぁ……やっとまともだよ。そうなんですか。それはどんな人なんでしょう? 続き読みます。

『その人は頭がよくてかっこよくてそれなのになぜかかわいくて……』

素敵な人なんですね。

『さらに美しくて、かっこよくて、ワイルドで、やさしくて、かっこよくて……(以降のろけ5分)』

解ったから! そんなに続けなくて良いから! かっこいい二十七回いったから!

プロデューサー(いち子ちゃん! 根性みせぇや!)

「プロデューサーまで壊れてどうすんの!?

『(E)=lim(x→∞)[?∫KF(X)f´(X)dx]』

わけわかんねぇよ! Eに括弧でかっこいいってくだらねぇよ。」

プロデューサー(いち子ちゃん! そこに気づくとはなかなか通だね!)

「だから頼むから壊れないでよプロデューサーさん。

『かっこいいいこうるがうすしぐまいんてぐらるらーじえふえっくすすもーるえふだっしゅえっくすでぃーえっくす』

いや、ひらがなに直されてもわかんないから! むしろ読みにくいから!」

プロデューサー(いち子ちゃん! つまり恋の方程式って言うのは容易には解けないってことだよ!)

「何うまいこといった気になってるんですか! ぜんぜんうまくないですよ! むしろうざいです!

『つまり胸というのはそのものより……』

いつの間にか胸の話になってるよ! 何でみんな胸の話したがるんだよ!」

プロデューサー(いち子ちゃん! そこに希望があるからに決まってるじゃないか!)

「だ〜〜〜〜! もうこの10分はありそうな胸の話ぶっとばしてリクエスト行きます。

『マンボNo.5ラブソングバージョン』ってなんだそりゃ!」

プロデューサー(いち子ちゃん! なんでいつもの傷をえぐるような選曲にしないの? 期待してたのに……)

「まともに仕事してるのにかなしむな〜〜〜〜!」

 

 

「で、今度はどうしていちごはひきこもってるんだ?」

「なんか朝起きたら五号の彼女になったって言ううわさが飛び回ってたらしいです。」

「あれ? それガセなのか?」

「どうもそうらしいですね。」

「てっきり昨日の『愛の狩人』の手紙、いちごのだと思ってたんだが……」

「私もそう思いました。」

「で、相手の五号はどうした?」

「どうやら昨日から行方不明だとか……」

「にげたか。」

「逃げましたね。それで、一号はどうします?」

「いまは特にやることもないし、ほっといたらどれくらい引きこもってるのか観察してみようか。」

「それもいいですね。」