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ハンターシリーズ168『空奈ちゃんの小ネタ集 2巻目』 作・ELIZA

ハンターシリーズ168
『空奈ちゃんの小ネタ集 2巻目』

作・タイトル画 ELIZA
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協力 てぃーえむ
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【プロ仕様】

 96号 「あれ、空奈ちゃん、分度器と定規なんて取り出して、何をするの?」
 97号 「何って、星占いのためのホロスコープを書くんだけど。」

※ホロスコープ:ある特定時点の天体の配置を表した図。ホロスコープの作成は西洋占星術の基本である。

【本格的】

 24号 「…で、結果はどうなのでしょう?」
 97号 「このように馬蹄形に7枚のアルカナを並べた時は、左から順に過去、現在、影響、障害、願
      望、最善手、結果を表すの。
      …一番左は魔術師の逆位置、これは多分あなたの過去が平凡だったことを暗示している
      わ。
      その右は女教皇の逆位置ね。恋愛についての占いだから、これはあなたの恋愛が現在は
      身勝手な片思いであることを示しているの。」
 24号 「そんな…」
 97号 「まだ占いの結果はどう出るか判らないわ。
      次が星の正位置だから、貴方の片思いの人が関わることは間違いないわ。
      真ん中が世界の正位置、つまり絶対的な何かが邪魔をしようとしている。
 24号 (茫然自失)
 97号 「貴方にはそんなに悪い相は見えないのだけれど…
      恋人の正位置…貴方が彼女にどういう態度を示しているのかは別として、内心は直接的す
      ぎ。」
 24号 「そ、そんなことは…」
 97号 「私はただ占うだけだから何も言わないけど、普通は嫌われるわね。
      …やっぱり。次が吊し人の正位置。あなたは耐えるべきね。」
 24号 「え…」
 97号 「でもこのアルカナには「高みに達するために通過すべきもの」という意味も含まれている。
      だから…最後は太陽の正位置。これは「約束された将来」を意味するの。」
 24号 「…!!」

【我慢の限界】

 24号 「つまり、それは…」
 97号 「貴方の嗜好を抑えて耐え続けること。そうすれば望みは叶うだろうから。
      ただし、それは絶対的な何かによって邪魔されるかもしれない。」
 24号 「…いい結果と考えていいのですね!」
 97号 「基本的には。
      ただ、最後に1つだけ。占いで感情が読めてしまったから言うわね。
      特定の人種の願望には私を不快にする力が秘められているのは知っていたけれど、恥ずか
      しい思いをさせる力も持っていたのね。勉強になったわ。」
 24号 「…」

【一応免許不要です】

 23号 「空奈ちゃん、今回の任務はどうするの?
      車じゃ行けない場所だし、イルダさんは忙しいから魔法も使えないよ?」
 97号 「…お花さんにハンググライダーを借りて飛んでいくわ。
      この前初めて飛んでみたけど、意外にうまく乗りこなせたから。」

【どこで覚えた】

   ボス  「今回の海底探査ミッションのメンバーを発表する。
        まずは今回のミッションで使う潜水艇の開発者であり今回の調査責任者である石川恭
        介。頼んだぞ。」
  14号  「勿論です。」
   ボス  「次に潜水艇操作の技能を持っている柚木陽介と半田ケイ。あと三沢智明君にも協力を
        願いたい。」
半田ケイ  「報酬はちゃんと出るんだろうな?」
   ボス  「その辺は心配するな。
        次に、実践での技能は頼りないが、資格的には潜水艇操作に問題がないイルダ・リンカ
        ーン。」
  49号  「…なぜ私が? 確かに資格はありますが。」
   ボス  「君の海の知識と不測の事態に対処できる魔法は重要だ。あと、君には船医としても働い
        てもらうことになる。」
  49号  「かしこまりました。」
   ボス  「後2人は…影鳥空奈と浅葱千景君だ。」
   2人  「なぜ!?」
   ボス  「君たちにイルダ・リンカーンと同等以上のレベルで潜水艇を操作する技能があることは
        解っている。
        それに…大人たちの中で1人寂しい思いをするよりも、友達がいたほうがいいだろう?」

【神業】

浅葱千景  「何をやっているんだ?」
   97号  「…やることがないから暇つぶし。もう終わっちゃった。次ね。」
浅葱千景  「そう容易く解けはしない高難度の迷路だが。迷わず解くとは、君、さすがだな」
   97号  「ほとんど直感なんだけどね。でも思い返してみると、選択肢が少数の時って、はずれを
        引くことが無い気がするわね…」
浅葱千景  「ふむ。それはまた不思議な話だな」

【洋書をよく読む割には】

 49号 「…だから、ここは…という意味なの。」
 97号 「イルダさん、いつもありがとうございます。」
 49号 「空奈さん、英文学を読むのは良い事だと思いますが、もう少し英語を勉強してからのほうが
      いいと思います。
      そうでないと、折角のいい作品も意味を取り違えてしまいますから。」

【副収入】

 23号 「空奈ちゃん、その封筒は?」
 97号 「…父からの送金。銀行から下ろしてきたの。
      月5万円だから、仕送りというよりはお小遣いね。」
 23号 「いや、中学生に月5万円の小遣いは多いと思うよ…」

【関係】

 23号 「そういえば、空奈ちゃんのお父さんって、直接は見たことがないな…」
 97号 「…私は父から言われてハンター組織にいるけれど、父からは送金以外は期待できないか
      ら。
      私にとって、世間で言われている「父親」に相当するのはおじさまと貴方くらいね。頼りないけ
      ど。」
 23号 (赤面)

【財産】

水野真澄  「ハンター組織の資産公開のための資料、まとめ終わりました。」
   ボス  「…御苦労。
        石川恭介と石川美依、西園寺美奈子は別格として…
        イルダ・リンカーンと影鳥空奈が所持資産額でほぼ同じだとは…」

【これはアマチュアレベル】

  97号  「…このテスト、エゴグラムですよね?」
柚木陽介  「あまり内容を知っていて欲しくはないんだがな…その通りだ。」
  97号  「私はACが極めて高く出るはずです。父に逆らうなんて考えもできないことですから。」
柚木陽介  「でもどこでそんなの習ったんだい?」
  97号  「占いはしばしば心理テストにつながっていますから、自然に覚えました。」

【前者はプロレベル、後者はアマチュアレベル】

 60号  「あれ、空奈ちゃん、携帯小説は読まないって言っていたのに…」
 97号  「…この人は特別。私は沢山の文学を読んできたけれど、その中でもかなり文章のセンスが
       いいわ。
       まだこの人の未来は見えないけど、きっと世間で高く評価される文章を書くことになると思
       うわ。」

【素人に毛が生えた程度のレベルですが】

 60号  「…空奈ちゃんはその曲が好きなの?」
 97号  「…ええ。この歌手の歌は皆好きよ。
       まだ動画投稿サイトで細々とやっているだけだけど、世に出ればきっと評価されることにな
       るわ。」


 60号  「…と言っていたのが6年前、今やあの作家は直木賞、あの歌手は最優秀新人賞ですもん
       ねぇ。」
 97号  「あら、私の鑑定眼を信用していなかったの?」
 60号  「そ、そんなことはないですけど…」

【あくまでありえる未来の1つです】

 60号  「それにしても、空奈さんも変わりましたよね…」
 97号  「そうかしら?」
 60号  「…いつも二岡くんを足代わりにしていたじゃないですか、それが今ではエンジンの付いたも
       のならほぼ何でも動かせる。」
 97号  「そうでもないわよ?
       複数人で動かさなければならないものは未だに難しいし、エンジンがなくてもヨットやボー
       ト、グライダーや気球ならうまく操れるし。」

【性格は変わっていないものとしています】

 60号  「そうでなくても、以前の空奈さんならこんな賑やかなパブには絶対にいられない。」
 97号  「…酒の力を借りただけよ。
       でも不思議よね。ほろ酔いになるだけで知らない人が気にならなくなるなんて。」
 60号  「…飲みすぎには気をつけてくださいね。」
 97号  「…そうね。6年前のような醜態は二度とごめんだし。」

【回想で現在に戻ります】

 97号  「…鬱だわ。」
 60号  「そ、そうなんですか? お父さんが主催されるパーティーなのですよね?」
 97号  「…私、そういう不特定多数の人と会わなければならない場所は苦手なの。
       私と同等以上の地位を持つハンター関係者が全員招待されて、貴女が報道関係者として
       参加できるのが唯一の救いね。
       石川さんとみぃさん、西園寺さんと付き人の瀬場さん、おじさまと入田さん、そして貴女で合
       計7人。内輪だけで話をすることは十分可能だから。」

【作法】

入田利康  「! 影鳥さん、それはフィンガーボウルと言って…」

【読み】

  97号  「…手を洗うものだから飲んではいけない、のですね?」
入田利康  「解っていらしたのですか…」
  97号  「…ありがとうございます。貴方が気付いてくださらなければ、そのまま飲んでしまうところ
        でした。」
入田利康  (? …! 今回はいいですが、今後「不作法」には気をつけてください。)
  97号  「…はい、解りました。」

【トラブル】

  97号  「…!?」
酔っ払い  「そおれ! シャンパンファイトだ!」
  97号  (…ちょっと待って! 何で私に!?)

【未成年でこの展開にするにはこれしかなかった】

入田利康  「影鳥さん、大丈夫ですか?」
  97号   「…へーり。きるもらいし、らいりょうるよぉ。」
入田利康  「かかっただけでほとんど体には入っていないと思うが…大丈夫だろうか?」

【宴の後で】

   60号  「空奈ちゃん、あれからずっと引きこもってるよね。」
浅葱千景   「…少し話を訊いてみたが、あのパーティーで自己嫌悪に陥ったらしい。」
   60号  「確かに、あの時の空奈ちゃんは違ったな…」
   49号  「内気な人がアルコールの力で気が大きくなることは知っていましたが、あそこまで変わ
         るとは思っていませんでした。
         体質的には特別アルコールに強いわけでも弱いわけでもないようなので、将来的には
         依存症に気をつける必要があるかもしれませんね。」


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